パラリンピックに対する違和感

パラリンピックにどう対峙したらいいのか私の気持ちはいまだ定まっていない。

福祉・人道的なものとしてとらえればいいのか,
それとも特殊な競技としてとらえればいいのか。

前者であるならば,「障害があるのにすごいねえ」と眼を細めながら見ることになるし,後者ならオリンピックとそう大差はなく見ることができる。

前者であるならば,つまらない競技をつまらないと言ってはいけないけれど,後者なら言っても構わない。


私の中では両者が混在しています。
だから,パラリンピックを見ていてどうも落ち着かないのです。

今回,ナタリー・デュトイトという選手が出てきて,私の混乱にさらに拍車がかかっています。
彼女は交通事故で左足を切断したのですが,今回オリンピックの遠泳に参加しました。国内の選考大会に参加し,代表権を獲得したのです。
ナタリー・デュトイト 左足切断 北京 で注目の スイマー
卓球にもナタリア・パルティカという選手がいます。
隻腕の卓球選手、北京五輪で健闘

二人はパラリンピックにも出場するとのこと。
おそらく金メダルを獲得することでしょう。

オリンピックにおいて,健常者と障害者が同じ競技で戦う様子を目にした今,パラリンピックというものがますますわからなくなってきます。



ただ,パラリンピック独自の競技はすごくわかりやすいです。
例えば,特殊な車いすに乗った競技などは。
普段から車いす生活,あるいは松葉杖生活を送っている人の腕力は相当なものです。その腕力をアスリートとしてさらに鍛え上げれば,健常者以上の超人的な技を繰り出すことができます。
この種の競技は障害だとかややこしいことを考えずに,競技に熱中することができます。
Yahoo!北京パラリンピック日本選手団にエールを送ろう!というページには「プロスポーツとしてのパラリンピック」というコーナーがありますが,まさしくそれです。

それから,装具の問題もありますね。
どこまで装具は進歩していくのでしょうか。
このあたりはただのスポーツではなく,医学の分野とも関わっています。パラリンピックのために開発した装具が一般の医療分野でも役立つということが出てくるかもしれません。パラリンピックが装具の見本市になる可能性もありますが,医学の進歩のためには悪いことではないですね。選手間に装具格差が生じる可能性はありますが。


とまあ,パラリンピックは非常にややこしいイベントです。
我々はこのイベントにいかに向き合えばいいのでしょう。



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