中国人があることに気がついた

オリンピックを見ていると,多くの国に帰化した中国人がいる。
でも,中国チームにはにはなぜか元アメリカ人とか,元日本人がいない。
なぜだろうかと。

中国人としては,中国も同じようにしたらもっと金メダルが取れるのにと残念に思っているもよう。

私が思うに,中国人になりたいアスリートがいないということではないでしょうか。井村コーチのようにビジネスとして中国で教える分にはいいけれど,中国人になるメリットは何もないわけで。

中国人は次のような疑問も投げかけています。

男子110メートルハードルで金メダルを獲得したキューバデイロン・ロブレスが仮に中国国籍を取り世界記録を出したとしたら,我々は劉翔同様に彼をたたえることができるだろうか?
ボルトが中国の代表として100メートル200メートルで金メダルを取ったとしたら,中国人として彼を中国人の誇りと感じることができるだろうか。

これは非常に面白い問題提起です。

今の中国は「中華民族」という民族を作り出し,様々な人種・民族を1つにまとめようとしています。建前はチベット人ウイグル人も中国人ということにしていますが,本音を言えば,彼らを中国人ということには違和感を覚えているはず。大多数の漢民族にとって中国人と言えば漢民族なんです。中国人(中華民族)というのはあくまで政治的な存在であり,中国人自身の思いは実に複雑。元々がそういう状態ですから,そこにキューバ人が入っても,ジャマイカ人が入っても,建前では「中国人の誇り」と考えることができるんじゃないかな。

では,日本ならどうか?

サッカーなどでは帰化する選手が多いですが,日本人は本当に日本人になりたくて帰化したのか,ジーーーっと見ている人が多いような気がします。日本人になった方が得だからと言う考えでなった人はあまり歓迎されません。そういうのがおそらく伝わるのでしょう。帰化した外国人はことさらに愛国心をアピールしたりします。ラモス瑠偉にしろ三都主にしろ。

中国に帰化し,彼らほど中国に溶け込もうとするスポーツ選手が今後出てくるか否か。なかなか興味深い問題です。