無能な人が安心して働ける社会

掲示板にタクシーが飽和状態になっているとの投稿がありました。
タクシー運転手にはリストラされた人とか高齢者も増えているようです。
飽和状態なのに乗務員募集が続くタクシー業界についてはよくわかりませんが,
社会のひずみの受け皿となっている部分はありそうです。

そのひずみの原因の一つが定年退職。
ある一定の年齢に達した人は,仕事を続ける体力・能力があろうとも,
引退を余儀なくされます。
非常にもったいないことです。社会の損失とも言えます。
その仕事を続けていれば,社会のためにも本人のためにもさまざまなメリットがあったのに,
引退をきっかけに,病院通いのお年寄りに変貌する人も多いことでしょう。

もう一つの原因が実力社会。
能力に応じた見返りが得られる社会。
これは一見,平等で素晴らしい社会のような気がします。
しかし,実際にはどうか?

実力重視で,実力がない人は就職できず,解雇される。
果たして素晴らしい社会か?

少々実力がなくとも,働いていさえすれば,彼は自分の力で生活でき,
社会的損失はほとんどなく,むしろ社会にとってはプラスになります。
しかし,彼をドロップアウトさせれば,
結局は,実力のある人が彼を養う必要が出てくることでしょう。
また,落伍者のマイナスエネルギーは社会全体に不利益をもたらします。

職場においては確かに「何であいつと俺が同じ給料なんだ」といった不満は出るでしょうが,
社会全体から見れば,それは非常に小さな問題であり,
実力のある人は自分と会社の契約のみ意識すればそれで良いことです。
他人の給料と自分の給料を比べる必要はないのです。

無能な人が安心して働ける社会。
体力が続く限り,年を取っても働ける社会。

そんな社会を私は求めます。