守るべきルール,守る必要のないルール

世の中には様々なルールがあります。
人が集まり社会を形成すれば,その社会を秩序あるものとするために,
必然的にルールが作られることになります。
しかし,ルールにも色々な物があり,
守るべきルールもあれば,守る必要のないルールもあると私は考えています。


1.明文化されたルールは守るべき

守るべきルールの代表としては,例えば,法律があります。
明文化された(文字に書かれた・社会で承認されている)法律は社会の構成員としては必ず守らなくてはなりません。
守らなければ,その社会において罪を問われ,罰を受けます。

小さい社会ながらセイクラブにも明文化されたルールがありますね。
利用規約です。
利用規約に反するようなことをすれば,利用停止などの罰を受けます。



2.明文化されていないルールは?

そして,社会には,明文化されていないルールも存在しています。
例えば,村の掟,慣習,一部のマナーなどがこれに当たります。
明文化されていない(文字に書かれていない)ルールは果たして守るべきでしょうか?

私は守るべきルールもあれば守る必要のないルールもあると考えています。


?閉じられた社会

例えば,その社会が閉じられた社会であるならば,たとえ明文化されていなくてもそのルールを守るべきだと思います。閉じられた社会とは,構成員の変動が少ない社会です。
ただ,明文化されていないルールを周知徹底させることはなかなか難しいことですから,このルールを機能させることができる社会は比較的規模が小さな物となるでしょう。例えば,家族,学校のクラブ,サークル,村などがあります。
こういった社会では,「郷に入りては郷に従え」の法則が有効です。
もちろんそのルールに不満を持つ人が多くなれば,それを変えていくことは可能だし,変える必要も出てくることでしょう。

村の掟に不満を持つ若者とか映画の中ではよく出てきますが,掟は基本的に従う必要があり,それを壊す,つまり革命を起こすのであれば,それ相応の準備や覚悟が必要となります。ただ壊すだけで,あとのフォローがないのでは無責任ですから。

?開かれた社会

では,開かれた社会ではどうでしょう?
つまり,その社会の構成員の変動が激しい社会です。
これは社会というよりもむしろエリアと考えた方がいいかも知れません。
比較的小規模なものでは,歩行者天国とか,バーゲン会場とか,
大きなものでは東京とか関東・関西などの空間的概念です。

ネットコミュニティは登録をする必要があることから一見閉じられた社会のように見えますが,
実際には人の出入りが激しく,歩行者天国並みの変動があり,やはり開かれた社会に入れたいと思います。

さて,開かれた社会において,明文化されていないルールは守るべきでしょうか?
マイフレさんならご存知のように,私はネット掲示板におけるローカルルールを何度も否定してきました。
開かれた社会においてローカルルールを周知徹底させることは不可能であり,ローカルルールが参加者同士の軋轢を生むからです。掲示板におけるマナーについて自分の意見を述べるのはいい。しかしそれはあくまで自分だけの考えであり,誰かにそれに従って欲しいのであれば,お願いあるいは提案という形にすべきなのです。

先日,コーヒーショップの話題が出ていました。コーヒーショップでは,コーヒーを買ってから席を探すべきか,まず席を確保してからコーヒーを買うべきかという問題提起。スレッド自体は問題提起ではなく,後者の方法について頭に来るという内容でしたが(笑)

この件については2つの考え方があると思います。
1つは,そんなローカルルールは知ったことではない。店員が明確な指示を出さない以上は好きにやるという考え方。
そして,もう一つは,「郷に入りては郷に従え」という考え方。関東ではコーヒーを買ってから席を探すのが主流のようで,関西では席を確保してからコーヒーを買うのが主流のようです。

しかし,これはあくまで傾向であって,実際にどうなっているのかは分かりません。お店によって違うかも知れません。そのお店のルールはどうなっているのかいちいち見極めるのは面倒ですね。これはローカルルールに任せるのではなくお店がルールを明確にすべきだと思います。

さらに,エスカレーターの問題もあります。エスカレーターに乗る時は一方に寄って,急ぐ人のためにもう一方を空けるというローカルルールです。関東の場合は左に寄り,関西の場合は右に寄ります。「郷に入りては郷に従え」の法則で対処するというのも1つの方法ではあるのですが,根本的な問題があります。つまり,エスカレーターを作っている人は,エスカレーターでは片方に寄らないでくれ,エスカレーターでは歩かないでくれ,と主張しているのです。
理論的にはエスカレーターは歩いてはいけない物であるにもかかわらず,歩くことを前提にローカルルールが作られているわけです。そんなローカルルールでも守る必要があるのでしょうか?
歩いてはいけないというルール,歩く人のために片側をあけるというローカルルール,
一体どちらのルールが優先されるものなのか,私にはよく分かりません。


結局,へんてこなローカルルールが生まれるのは,ルールを明確にしていない(明文化されていない)ことが原因なのかも知れません。ルールを定めるべき場にしっかりしたルールを作らないと,へんてこなローカルルールが生まれてしまうのです。

ちなみに私はへんてこなローカルルールがまかり通っているような場は避けます。
混んでるコーヒーショップとかエスカレーターとか。