中国人留学生の天国と地獄

このネタ,何度も書いてるけどもう一発。

中国人留学生と一言でいっても,その留学形態はいろいろいます。
大雑把に言うと,国費留学生と私費留学生にわかれます。

私費留学生は先日も語ったように,アルバイトをしなければ留学生活を維持できない状況。

国立大学で学費が50万円ほど,私立大学なら100万円は行くでしょう。
さらに,家賃で5万円前後,光熱費・食費などを含む生活費は切りつめても5万円はかかるはず。
つまり,教科書も買えない,娯楽もないという最低限の生活を送るのにも年間170万円は必要。私立大学に通い,教科書などもしっかり購入し,タバコを吸ったりケイタイを所持するなど,普通の生活を送ろうと思えば,年間220万円は必要となるでしょう。

で,留学生が許されているアルバイトの日数はどうかというと,授業がある期間は1週間に28時間,長期休暇中(年間3カ月)は1日8時間労働が許されています。1年間法律で許される限り目一杯働けるのは何時間になるかというと,私の計算では,約1612時間。年間170万円稼ぐには時給1000円ちょっとのバイト,220万円稼ぐには時給1360円のバイトをする必要があります。目一杯働いて最低の生活,そして勉強までしなくてはならない。よっぽど強い意志がなければやっていけないでしょう。

対して,国費留学生の方は天国です。学費はもちろん免除。寮完備の場合もあり,宿舎費・食費・光熱費などは免除か微々たるものでしょう。そして,大きいのが奨学金です。学部留学生で135000円,研究留学生で175000円も支給されるのです。自由に使えるお金がこんなにある。私よりも裕福です(^^ゞ国費留学生は原則アルバイトが禁止されていますが,実際には多くの国費留学生がアルバイトをしているようです。もちろん私費留学生とは違って生活の為のアルバイトではありません。

両者はなぜここまで差があるのでしょう。私も国費留学生として中国留学をしていましたが,私費留学生との差はそれほど大きくはありませんでした。国費留学生は年間30万円ほど得をしていたに過ぎません。日本人にとっての30万円と,中国人にとっての200万円はえらい違いです。

不良学生をシャットアウトするのも大切ですが,向学心に燃える私費留学生の待遇を何とか高めてもらいたいものです。国費留学生の奨学金はあげすぎ。授業に必要な教科書は全て支給し,奨学金は3万もあれば充分でしょう。今の奨学金ならば月に10万円は貯金できます。留学しながら貯金もできる制度と言える。羨ましい。