その喧嘩買った!

嘘です(笑)

最近ワイドショーを賑わせている花田家問題についてまとめてみます。

貴乃花はやけに饒舌なんだけど,何だかポイントをはぐらかしているようでスッキリしない。ポイントは一体どこにあるのか。
相撲用語を勉強しつつ考えてみたい。

まず用語のお勉強から。

大相撲で引退した力士が日本相撲協会の運営に関わろうとする場合、年寄名跡(=親方株年寄株)を取得し、年寄となる。年寄とはいわば肩書きであり,「○○親方」というのは呼称。名跡とはたぶん「二子山」とか「山響」とか年寄の名前を指すもの。「貴乃花親方は貴乃花という名跡を所有する年寄である」,という感じでしょうか。

年寄名跡を所有している人は,自分の部屋を持っていなくても親方を名乗ることができます。自分の部屋を持っていない親方は「部屋付き親方」とよばれます。貴乃花に部屋を譲った二子山親方も部屋付き親方でした。

現在、105の年寄名跡があります。これは明治の頃にはある程度出そろっていたもので,急に作られることはありません。ただ,例外として「一代年寄」というのがあります。これは功績のあった横綱などに与えられるもので,現在は3名がこの一代限りの年寄名跡保有しています。大鵬北の湖貴乃花の3名。

 
さて,今問題になっている貴乃花部屋年寄名跡って一体どんな状態になっているのでしょうか?
思うに,おそらく4つの名跡が絡んでいると思われます。「二子山」と「貴乃花」と「山響」と「音羽山」の4つ。
それぞれの名義人は「二子山=二子山親方」「貴乃花貴乃花親方」「山響=貴乃花親方」「音羽山音羽山親方」で,その年寄名跡を使用している人は「二子山=誰も使ってない」「貴乃花貴乃花親方」「山響=佐ノ山親方」「音羽山音羽山親方(元貴ノ浪)」ということになります。「山響」という年寄名跡は佐野山親方に貸し出し中みたいです。

で,貴乃花がテレビで無くなったと騒いでいるのはこのうちの「二子山」だけだと思われます。「山響」と「音羽山」もなくなったのですが,すでに再発行されています(4/22)。さすがに自分の年寄名跡である「貴乃花」の証書はしっかり自分で管理していたでしょうし。だから,注目すべきは「二子山」だけ。

はい,問題の核心です。
貴乃花は一体何を恐れてしゃべりまくっているのでしょうか。
おそらく,自分が不利だと言うことがわかっているのです。

一般的な家族なら父親が死去した場合,その財産は子供達に平等に分けられます。しかし,花田家の場合は父親が残した財産はほとんどが相撲に関するもの。貴乃花部屋の土地・家屋とか年寄名跡,そしてあとは宿舎や別荘もあると報じられていますが,たいした資産ではない。二等分するとどうしても相撲関係の財産を切り崩す必要が出てくる。だから,法律云々じゃなくて,財産問題では,部屋の維持を最優先に考えてくれよと兄貴に訴えているのでしょう。長男なら財産分与とか言ってる場合じゃなくて援助してくれよと言うくらいの思いがあるに違いない。

貴乃花は自分の豪邸のローンもあるし,後進も育たないしで,部屋の経営はたぶんいっぱいいっぱい。ほとんど泣きながら強気発言を繰り返しているように見えます。

貴乃花年寄名跡の売買は禁じられていると目を泳がせながら語っていましたが,そんなのは嘘っぱち。先日も立浪部屋では裁判沙汰になり,その価値がはっきりしてしまったところです。立浪部屋の裁判では,先代立浪親方が現立浪親方に「立浪」の譲渡金として1億7500万円を要求しました。結局現立浪親方の勝訴に終わりましたが,相撲界の闇の部分がはっきりしてしまいました。

いずれにしろ,貴乃花は兄貴の要求がはっきりしないうちに過剰反応をしているような気がします。それとも,大一番の勝負をかけているのでしょうか。交渉が有利になるように,先手を打っているとか。さすがに今の状況では,兄貴も相撲絡みの資産には手を出しにくいでしょうね。

この問題,しばらく観察を続けます。
ワイドショーでは誰も貴乃花に問題の核心をついた質問ができず歯がゆいです。