ロスト・イン・トランスレーション

以前から目を付けていた作品。今日やっと観ることができました。

監督はフランシス・F・コッポラの娘であるソフィア・コッポラ
東京を舞台にしたアンニュイ感漂う物語です。

ロスト・イン・トランスレーション」とは「翻訳により本来の意味が失われていく」ということらしい。

主人公はハリウッド俳優のボブ・ハリス(ビル・マーレイ)。サントリーのCM撮影のため東京にやってきます。最近は出演作品もなく,過去の栄光で食いつないでいる状態。エージェントからつまらない仕事をどんどん回されています。今回のCM撮りもそんな仕事の1つ。東京の街を観ては苦笑い,何を考えているかわからない日本人を見てはまた苦笑い。そんな東京の生活を送っていました。

そんな彼の前に現れたのがシャーロット。カメラマンである旦那が仕事で来日。シャーロットは彼とともに東京にやってきました。しかし,旦那は毎日仕事で忙しく,シャーロットは怠惰な日々を過ごします。彼女の世界はパークハイアット東京のみ。パンツいっちょで部屋の中をウロウロしたり,猫のように窓際に座り外を眺めたり。

人が多い東京にいながら大きな孤独感にさいなまれる2人はホテルのバーで出会います。この出会いにより2人の世界は少しだけ広がります。「翻訳」されたものに嫌悪感を憶えるだけで,本来の意味を見ようとしなかった2人ですが,徐々に東京の街にも日本人にも心を開いていきます。

まあ,おおよそ,そんな内容の映画です。日本人の描き方がひどすぎるとか,批判的な意見も多い作品ですが,私はかなり気に入りました。特にラストがいい。普通の映画なら2人が出会えばパッと世界が変わっていくのにこの作品はそう簡単には変わらない。最後の最後までスッキリしない状態を引きずっていきます。しかし,ラストで・・・・あとは内緒♪

HIROMIXというカメラマンが随所に出てきたのも面白い。ソフィア・コッポラは東京の翻訳家として彼女を選んだのかな?

この映画のポイントは何だろう?
翻訳が介することにより逆に原意が見えなくなる。
考えるよりも感じろ。
そんなところだろうか?
興味がある人は是非見てください。

※オフィシャルサイト
ロスト・イン・トランスレーション