肩書きによって人間のランクを判断すること

鰺子さんに似ていることで有名な澤田和子さんですが,ネットで見つけた彼女のコメントにとっても共感を覚えました。ちょっと長いですが,以下はその引用です。

「フリーター」というと、「あっ、フリーターね」と軽く受け流され、何となくランクが下という感じになる。ところが「アーティスト」というと、「えっ何?」、「作家」というやりとりの後、「文章書いてるの?」と聞かれ、「ううん、自分の写真とってるんだ」というと、ものすごく変な人に思われて、フリーターよりももっとランクが下と判断される。でも「フリーターみたいなものだけど、大学で週に1回授業もやっていて」というと、ランクがいきなりぐ〜んとあがって、さらに「アーティストといっても、世界中で展示会をやっている」というと、大学の先生よりまたランクがアップする。もう一体何をもって、人を判断するのか、わけがわからない(笑)。

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澤田さんの文章を読んでいると,肩書きにより相手の態度がコロコロ変わるその変化が想像でき,面白味さえあります。

肩書きによって相手の印象が変わるというのは私自身にもあることなので,自分が肩書きにより評価されることに文句は言えませんが,なんとなく滑稽に思えることもあります。

目の前にいる人間を見てその人がどんな人か判断するよりも,肩書きで判断した方が手っ取り早いと言うこともあるのでしょう。異を唱えたところでどうにもならないことですが,どこか納得できない部分があるのも事実。

たぶん,私のこの感情は「どんな仕事でも尊い」という価値観が日本で徐々に失われ来ていることに対しての危惧だと思います。労働を尊いものと考える日本人の価値観。労働に貴賎無し。この考え方はもう絶滅してしまうのかな〜。

人間のランクとはちょっとずれるけれど,手術の執刀医の肩書きなんかはかなり信用ならないという話を聞いたことがあります。例えば,自分の執刀医が教授に決まり喜んでいた。ところが,実はその教授,論文ばかり書いていて手術の腕は未熟だったなんてこともあるらしい。