最近の若いもんは
的な調査結果が発表されました。
すでに,プラザなどでも投稿されているし,知っている人も多いかと思います。そう,大学生の日本語力調査です。
この調査を行ったのは,メディア教育開発センターの小野博教授。
私が最初に思ったのは,メディア教育開発センターとはなんぞや?ということ。独立行政法人とか言うものらしい。文部科学省の天下り組織か?
それはさておき,その大学生の日本語能力調査の結果は産経新聞紙上で発表されたわけですが,私はその内容を見てどうもうさんくさいものを感じてしまいます。
例えば,ある言葉の意味を問う選択問題があります。
出題及び解答の例を,新聞紙上では次のように紹介しています。
解答者数はパーセンテージで表してあります。
【問題の例】
■露骨に
(1)ためらいがちに (0%)
(2)おおげさに (83.3%)
〔3〕あらわに (16.7%)
(4)下品に (0%)
(5)ひそかに (0%)
■憂える
(1)うとましく思う (16.7%)
(2)たじろぐ (0%)
(3)喜ぶ (66.7%)
〔4〕心配する (0%)
(5)進歩する (16.7%)
■懐柔する
(1)賄賂をもらう (50.0%)
(2)気持ちを落ち着ける(33.3%)
(3)優しくいたわる (16.7%)
〔4〕手なずける (0%)
(5)抱きしめる (0%)
(カッコ内は中学生レベルと判定された学生が回答した割合、〔 〕数字が正解)
*小数点計算で合計は必ずしも100にならない
「憂える」の意味は「心配する」です。しかし,「心配する」を選択した人は1人もいない。
ありえない!
よくよく見ると「中学生レベルと判定された学生が回答した割合」とか書かれています。一体どういうことか?なぜ中学生レベルの物だけを詳細に発表するのか?
産経新聞には,今回の調査に関して次のようなデータが記されています。33大学で約13000人の学生を対象にして調査を行ったこと,日本語力が中学生レベルの学生は国立大で6%,四年生私立大で20%,短大で35%いたことなど。しかし,これではデータが中途半端だと言わざるを得ません。
まずは13000人のレベル分けをしっかり発表すべきです。中学生レベル,高校生レベル,大学生レベルの学生がそれぞれ何人いたのか。
そして↑に挙げた問題及び解答例ですが,なぜ敢えて中学生レベルの物しか採り上げていないのか。13000人全体の結果をなぜ出さないのか。特に頭の悪い学生ばかりを集めた結果を発表することに一体どんな意味があるのか。非常に作為的なものを感じます。これでは,一般参加者の変な答えだけを放送するバラエティ番組の乗りと同じです。
↓の記事には2002年に行われた調査の結果についてのコメントが載っています。2年前も憂えていたようですね(笑)
文章書けない学生(読売新聞)