中国人研修生問題

11月10日千葉県市川市のある工場で働いていた2人の中国人研修生(あるいは技能実習生)が亡くなりました。
ミキサーの掃除中に,他の従業員がベルトコンベアのスイッチを入れた所,ミキサーも一緒に回転を始め巻き込まれてしまったのです。
非常に痛ましい事故です。

さて,皆さんは外国人研修生って聞いたことがありますか?

日本には,発展途上国などの若者を日本にまねき,働きながら技術を学んでもらおうという制度があるのです。
JITCOという組織がこの制度を取り仕切っています。
JITCO←クリック

まず,外国人は研修生からスタートします。期間は約1年で試験に合格すれば技能実習生に身分が変わります。研修生の間は正式に労働者として雇われているわけではないので,給料は支払われず,研修手当という名目で6〜10万円ほどの生活費が支給されます。そして,技能実習生になれば,正式雇用となり日本人と同じ基準で給料が出るという仕組みになってます。

しかし,この制度には様々な問題があるのです。

先ずは中国側の斡旋組織の問題があります。良心的な派遣会社ならばよいのですが,不当な手数料やら管理費やらを取る所があるようです。だから,研修生は多額の借金を背負ってスタートという感じになってしまいます。さらに,研修生にしっかりと説明をしていないというのも問題です。目的は学習にありお金を儲けに行くのではないと言うこと,研修生の間は生活費くらいしか出ないこと,そのあたりの説明を省いている業者がいるようなのです。だから,日本に着いてから一悶着起こってしまう。

そして,日本で受け入れる側の企業にも問題があります。先ずは外国人の技能習得を手助けすることを考えるべきなのに,安価な労働力が欲しいが為に,研修生を受け入れる企業があります。だから,研修生に対し過剰な労働を強いたりします。例えば,研修生には残業をさせてはいけないのに他の実習生並みに働かせたり。また,技能実習生にはきちんと給料を払わなくてはいけないのに,いつまでも研修生並みにしていたり。もちろん違法なことをした雇い主は摘発されていますけど,探せばまだまだ悪い奴らが出てきそうです。

そしてもちろん研修生本人の問題もあります。技術の習得の為に来日したのであり,お金儲けに来たのではないと言うことを自覚してもらいたい。

今回千葉で亡くなった二人は目的意識のしっかりした人だったようです。中国の工場ですでに働いていた人たちで,日本で習得した技術を故郷に持ち帰り,地元を発展させようと希望に燃えていたようです。本当に残念です。謹んでご冥福をお祈りいたします。

※参考
徳島労連←クリック
・・・月に300時間労働で給料が8万円のケースもあったとか。
JANJAN←クリック
・・・室蘭における給料未払い問題
ヒューライツ大阪←クリック
・・・福井県武生市で起きた事件