イラク日本人拉致事件について思うこと

基本的に他人事ですが,私の思うところを少し。

他人事ながら,次のビデオなどを見ると,
ずいぶん恐い思いをしているだろうなあと彼らに同情します。
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ただ,私は次の事件を思い出さずにはいられません。
コロンビアで起こった日本人誘拐殺人事件です。
矢崎シーメル副社長・村松治夫氏がコロンビア革命軍(FARA)に誘拐されたのは2001年2月23日のことでした。そして,射殺遺体が発見されたのが2003年11月24日。2年9カ月の間,彼は忘れ去られた存在でした。誘拐された時,射殺遺体が発見された時はマスコミ報道がありましたが,その間の報道はあったのか?いずれにしろ,村松さんを救い出せというような国内世論の高まりはなかったような気がします。

今回,政府の責任について興味があります。
外務省のサイトに海外安全ホームページというのがあります。そこでは各国の危険度が紹介され,外務省としての指針を明示しています。
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危険度は4段階。
「十分注意して下さい」
渡航の是非を検討して下さい」
渡航の延期をおすすめします
退避を勧告します

現在のイラクはもちろん「退避を勧告します」になっていますが,3人がイラク入りした時はどのレベルだったのでしょう。私としては「退避を勧告します」以外のレベルにあったのならば,政府は彼らを救い出す義務と責任があると思います。「退避を勧告する」のレベルの場合は,責任はもちろん渡航した者にありますが,国家としては自国民の生命を守るために,できる限りのことをして欲しいですね。

先ほど,郄遠さんのお友達のサイトを覗いてきました。
管理人さんが議論歓迎の方針を打ち出しているので,荒らし行為はそれほど起きていませんが,やはり3人に批判的な意見も多いようです。

いずれにしろ,2年9カ月もの間ゲリラとともに過ごし,最後には結局殺されてしまった村松さんに比べれば,3人の状況はまだ救いがあるような気がします。

蛇足ですが,青年海外協力隊のメンバーも1965年の発足以来,55名が命を落としているそうです。内容は「病死」「交通事故」「不慮の事故」などに分けられるそうですが,この数はどう考えても多いし,詳しい内容はマスコミから全く伝わってこないのが現状です。
青年海外協力隊の実態←クリック