キンマウンラさん一家のその後〜どんでん返し〜

以前,プラザのニュース板や日記で紹介したことがある1つの事件にけりがつきました。

ミャンマー人のキンマウンラさんの不法滞在事件です。キンマウンラさんは最初は合法的に日本に来ましたが,ビザの延長ができず,不法滞在の状態が続いていました。じゃあ,ミャンマーに帰国すればいいではないかと思いますが。それができなかったのです。

彼は日本で反政府活動をしてしまったのです。だから帰国すれば逮捕されるのは間違いない。腹をくくって活動を続けるという方法もありますが,日本において彼には愛する家族ができてしまったのです。フィリピン人の奥さんと二人の娘さんです。

彼にとってはもう反政府活動はそれほど大きな問題ではないでしょう。それよりも家族が大事。二人の娘さんは日本で生まれ育ち日本の小学校に通っています。すでに生活の基盤は日本にあるわけです。

そこで,彼は日本の在留資格を申請し続けていたのですが,逆に入管に収容され,強制帰国を待つ身となってしまいました。彼が恩赦により入管から解放されたのが去年のクリスマスの少し前。解放されたとはいえ,もちろん状況は変わらず,家族はフィリピンに送られる可能性が高かった・・・・。

ところが,最近状況が変わっていたのです。気がつきませんでした。


3月9日在留特別許可取得!

おめでとう,キンマウンラさん。家族と仲良く暮らしてね。

詳しくは次のサイトで。
ビルマ情報ネットワーク←クリック
ビルマ市民フォーラム←クリック


さて,キンマウンラさんの家族の喜びの影で,逆に悲しみを味わっている家族もいます。すでに得ていた在留特別許可を取り消されたイラン人のアミネさん一家です。
こちらは「すでに日本に生活の基盤ができている」と言うことが理由で在留特別許可を得ることができました。去年の9月のことです。
アミネさん勝利←クリック

追記:アミネさんの支援団体が見解を出しました。
APFS←クリック

ところが国側は控訴し,今回東京高裁で控訴審が行われました。そこで裁判長は「一家をイランに帰国させることが著しく妥当性を欠くとは言えず、法相らの判断に裁量権の逸脱、乱用はない」との見解を示し,在留特別許可を取り消す判決を出したのです。

一見ひどいなあとも思えるのですが,よくよく話を聞くと,この判決は妥当と思える部分もあります。キンマウンラさんはミャンマーには帰れず,フィリピンで生活の基盤を築くのはかなり難しい。しかし,アミネさんの場合は日本で稼いだお金でイランに自宅を建てているらしい。これが本当だとしたら,イランで生活の基盤を築くことは可能だと考えられます。政治的な弾圧もないし。ただ,日本で生まれ育った子供たちにとっては辛いでしょうね。長女は15歳で高校入学を控えているそうです。う〜ん,やっぱり可愛そうかな。