禁じ手〜子供をだしに使うこと〜

先ほど,6時のニュースで,発光ダイオードの発明者らしき人物のインタビューを見ました。なにやら,正当な報酬をもらえなくて,裁判で争っているらしい。

それはいい。大いにやって下さい。

しかし,彼の口から,私が最も忌み嫌う言葉が発せられました。

「大発明をすれば大金をもらえるとなれば,子供が夢を持てる」

おおよそ,こんな事を言っておりました。

このセリフ,かなり昔にも聞いたことがあります。
発言者は元野球選手の落合氏。彼は,日本人初の一億円プレイヤーになるべくマスコミで大いに持論を展開していました(1987年)。その際,「子供が夢を持てる」から1億円出せとアピールしていたわけです。

思えば,ちょうどあの頃から日本はお金を欲することを恥としない社会となってきたような気がします。それまでは金に頓着しないことが一種の美徳でした。良い仕事をすれば結果として報酬が得られるというだけで,金そのものが目的ではなかった。

金を稼ぐのはいい。しかし,子供をだしに使ってはいけない。報酬に関する交渉はあくまでビジネスであり,契約の問題です。子供の夢を持ち出すのはやめていただきたい。