中国で侮辱

最近中国擁護の発言が多い私。
寝返ったか,と感じている人もいるかも知れないけれど,
私のスタンスは特に変わりはありません。
おかしいと思えば,やはり批判もしますよ。

最近猛烈に違和感を覚えたのが,個人のつるし上げ。

最初はアメリカのキャンパス内での話。
ある日のこと,キャンパス内で中国人留学生とチベット擁護派の学生が衝突していました。
そこに現れたのが一人の中国人女子留学生。
彼女は両方のグループに友達がいたため仲裁に入りました。
比較的チベットよりではあったけど。
その様子は撮影され,ネット上に動画がアップされました。
瞬く間に彼女の個人情報は暴き出され晒される事態に。
彼女の青島の実家では玄関に糞尿をまき散らされ,
両親は身を隠さざるを得なくなりました。

次は掲示板での発言。
上海のとある大学の学生が大学の掲示板で次のような発言をしました。
地震のあった地域はド田舎で今まで誰も見向きもしなかった。
 今回の地震で注目され,生き残った人にとっては逆に良い結果を
 もたらすかも」
この発言をした学生も本名から住所まで晒されました。

そして,昨日。
21歳の女の子がネットカフェで悪態をつく動画がアップされました。
追悼日にネットゲームができなくてストレスが溜まっていたようで,
四川についてあれこれと侮辱するような発言をしました。
彼女の個人情報もすぐに晒されました。
警察も彼女が遊んでいたネットカフェを捕捉したようです。



日本でも名誉毀損や侮辱は罪になりますが,法律に基づいて裁かれます。しかし,今の中国では,法律以前に,人民によって裁かれてしまいます。
もちろん日本でも「不適切な発言」によりブログが炎上すると言うことはありますが,そのほとんどは有名人の発言。個人の場合でも,その個人情報がおおっぴらになることはほとんど無く,個人情報が書かれた場合も,サーバーの管理者がたいてい削除します。

しかし,中国の場合はなぜかなかなか削除されません。
犯罪者でもないのに,ちょっとしたニュースサイトにまで名前が載ることもあります。

レッテルを貼られたら最期,もう生きてはいけない世界。
良かれと思っての糾弾行為、つるし上げ。
文化大革命紅衛兵、あるいは浅間山荘事件を思い出します。



ネットで多くの中国人は主張します。
「今の中国には言論の自由があるが,その自由は無制限ではない。」

果たして誰がその自由の範囲を決定するのでしょう。
果たして誰が逸脱行為に対する罰則の範囲を決定するのでしょう。

かの国はまだまだ危なっかしいです。