必要の前に考えること

掲示板のとあるスレッドに触発され,3年前の日記を再掲します。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
列子』の湯問篇には『愚公山を移す』という寓話がおさめられています。

内容を簡単に説明すると・・・

二つの山に挟まれた家に愚公という爺さんが住んでいました。
爺さんはこの不便な状況を打開しようと1つの計画を立てます。
山を切り崩して海に捨ててしまおうという壮大な計画です。
近くに住んでいた智叟という爺さんは愚公をからかいます。
「山を移し終わる前におまえさんが死んじゃうよ」
愚公は答えます。
「私が死んでも子供がいるし孫がいる。孫にもまた子供ができ,
 この作業を進めてくれるだろう。人は尽きないが山は徐々に
 無くなっていくのだ」
それを見た神様が愚公の不屈の精神に感心し,山を移してあげました。
めでたしめでたし。

そんなお話しです。

詳しく次のサイトをどうぞ♪
陽碍山←クリック♪

さて,この寓話,中国では有名で,教科書などにもよく載せられるのですが,私は以前からどうに腑に落ちないところがありました。

なぜ愚公はそんな不便な場所に家を建てたのか?

山は間違いなく家を建てる前からあったはず。その不便な場所に家を建てる事自体がおかしな話です。また,山を移す労力と財力があるのなら引っ越しをした方が早い。とまあ,寓話にケチを付けるのも野暮な話ですが(笑)


しかし,日本社会にも愚公のような話は山ほどありそうです。
そう,新幹線やら高速道路やらの話です。
不便だからという理由で,新幹線や高速道路,そして大小様々な道路がどんどん造られてきました。そして税金が湯水のごとく使われています。

その根底には偏った平等主義があります。
みんな同じにしなくてはいけないという悪平等

便利さなんか平等ではなくても良いのです。不便な場所には美しい自然があるかもしれないし,素敵なお祭りがあるかも知れません。また,先祖代々受け継いできた大切な土地があるのかも知れません。つまり,ほとんどの人は好きだからこそその土地に住んでいるのです。

ただ一点,国家は国民の生命財産を守る義務がありますから,医療に関してはある一定の整備をする必要はありますね。しかし,それもある程度まで。人里離れた場所に住む一世帯のために診療所を作る事などできません。もうそれはその家族の問題。医療は都会に住んでいても案外穴は多いものです。夜間救急をたらい回しにされたあげく死亡してしまうなどの例もあるし。

まあ,要するに,

不便を理由に無駄金を使うな!

と言う事が言いたい(笑)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★