ミャンマー軍による長井健司さん殺害に抗議する会

掲示板に署名活動のスレッドが立っています。
ミャンマー政府および駐日ミャンマー大使館に対して抗議の署名を提出するらしい。

まずは,署名フォームのページに飛んでみました。

すると,次のようなセキュリティ警告が!

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この Web サイトで提示されたセキュリティ証明書は、
信頼された証明機関から発行されたものではありません。
この Web サイトで提示されたセキュリティ証明書は、別の
Web サイトのアドレス用に発行されたものです。

セキュリティ証明書の問題によって、詐欺や、お使いのコン
ピュータからサーバーに送信される情報を盗み取る意図が
示唆されている場合があります。
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で,どういうことなのかと,抗議する会のブログをチェックしたところ
次のような説明を見つけました。

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このネットでの署名フォームは、https を使っているので、
「このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります。」
といったメッセージが署名書き込み時に出ることがありますが
セキュリティ上の問題はありません。
いたずら目的の書き込みを防ぐ目的で、httpsを利用している
ためこういうメッセージが出ているだけですので
無視して先に進んで署名してください。問題はありません。
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なるほど,無視していいのか,あなたを信じましょう,
ということで,先に進むと,署名フォームが現れます。

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書面にご賛同いただける方は、名前と肩書きをご記入の上、
「送信」ボタンを押して下さい。
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えっ,書面なんかあったっけ?
それどこ?
というわけで探しました。
以下がその書面。

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ミャンマー連邦
タン・シュエ国家平和開発評議会議長殿
駐日ミャンマー連邦大使館
フラ・ミン特命全権大使殿

抗議文

 2007年9月27日午後、貴国のヤンゴン市内にあるスーレーパゴダ
付近で、取材中だった映像ジャーナリスト、長井健司氏が、貴国軍
治安部隊の軍人に至近距離から銃撃され、殺害されました。
自国の国民に対するミャンマー軍の一方的な暴力による制圧行動
について、 国際的な取材活動をしていた日本人ジャーナリストの生
命を、警告もなく銃で奪ったことは、 殺害を前提とした意図的かつ
残虐な取材妨害行為であり、 国際社会の一員として、また日本人
として、我々はこの行為を断じて許すことはできません。 しかも貴
国の当局は、長井氏が亡くなるまで手離さなかったビデオカメラと
テープを未だ返却していません。

われわれは貴国治安部隊軍人による長井氏の殺害について強く
抗議します。 また、長井氏の殺害の経緯を明らかにするとともに、
犯人の特定と厳罰を求めます。 遺品であるビデオカメラとテープ
も内容の消去など一切の改竄を許さず、返却することを求めます。
  
ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会
(事務連絡先)
〒1060032
港区六本木7−8−25永谷リュード六本木306  
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なんだかえらく不親切な作りになっています。
抗議文とその署名は常に一体化してないといけません。
しかし,まあ,その心意気は買います。


ただ,この抗議活動についてちょっと引っかかるところもあります。

例えば,要求は以下の3点でいいのかどうか。
?殺害の経緯を明らかにする事。
?犯人の特定と厳罰。
?ビデオカメラとテープの返却。
さらに?について言えば,まずは?がはっきりしないことには「犯人」などという言葉を使うのは不適当。軍事行為の一環なのか,事故なのか,犯罪なのか,今の段階でははっきりしていません。?があってこその?ですから,抗議文に?をいれる必要はなかったように感じます。

それから,ミャンマー軍事政権に対してはどのように考えているのか。そのあたりを知りたい。世界には軍事力で政権を奪った現政権を認めておらず抗議活動を続けている人がたくさんいます。あの国はミャンマーなどではなく,ビルマであると。

今回の抗議活動では,反ミャンマー活動をしている人も合流してくる可能性があります。抗議の矛先がぶれてくると,こういった活動は内部分裂を起こしたり,自然消滅するおそれもあります。そのあたりを早めにはっきりさせておいた方がいいような気がします。

ビルマ情報ネットワーク

さらに,抗議文や署名の提出で何か効果があるのかという根本的な疑問も。
上記のビルマ情報ネットワークも20年ほど活動を続けていますが,現状といえば,「軍事政権も経済で頑張っているじゃないか」とか「スーチーさんはいつまでやってるんだ?」といった軍事政権を追認する声が高まっています。

ヤクザに通じる力は金と暴力です。
ミャンマーで商売をしている日本企業に働きかけたり,ODAの現状をつぶさに調べ日本政府にも働きかけたり,他にも方法はあるような気がします。