士農工商〜国家の思惑〜

江戸時代の日本には職業による階級制度があったらしい。

「労働は美徳なり」,「職に貴賎無し」という考えがあるからこそ,
私は日本が好きだし,日本は発展してきたのだと思っています。
しかし,今の日本には昔の日本のような職業による階級制度がちらほらと出てきています。
それどころか,「労働は美徳なり」「職に貴賎無し」が崩れてきている。

かつての階級制度は士農工商,つまり武士(政治家)→農民→職人→商人の順でした。
それが今は,正社員→派遣社員→パート・アルバイト(フリーターを含む)に変わっています。
派遣社員もパート・アルバイトも真面目に労働をしているにもかかわらず,
半端な仕事と見なされることが多くなりました。
必要だからこそ,その仕事があるにもかかわらず,
真っ当な正社員にならねばならないとの社会的な圧力があります。

ニートとフリーターを十把一絡げで批判する人は多いですが,
両者は全く違います。フリーターは働いているのです。
国民の義務である労働をし,税金をしっかり払っているのです。
しかし,今の時代,自分の仕事に誇りをもてるフリーターは少ない。
社会的な蔑視の目があるからです。
もし,フリーターもパート・アルバイトも立派な仕事だという考え方が社会にあるならば,
ニートだってもう少し社会に出やすくなるのではないでしょうか。
頑張ってアルバイトを始めたとしても今の社会は一人前の仕事をしているとは認めてくれません。

社会がすでに変わっているのです。
パート・アルバイトを必要とする社会システムになっているのです。
その社会において,パート・アルバイトを真っ当な仕事ではないと否定して何になるのか。
仕事はいくらでもあるのに,パート・アルバイトだけにはなりたくないとホームレスになる者までいる世の中。
そう,仕事はいくらでもあるし,働ける人だっていくらでもいるのです。
なのに,階級制度があるために,パート・アルバイトになることを忌避する日本人が多い。
そこで,過度に外国人を受け入れその部分を穴埋めしているのが現状。

国家は失政から国民の目をそらすために,国民同士を争わせるような宣伝をよくします。
「フリーターが悪い」「ニートが悪い」という宣伝もそのうちの1つ。

「労働は美徳なり」「職に貴賎無し」の日本がよみがえることを祈ります。