檄を飛ばす

テレビを見ているとよく出てくる「檄(げき)を飛ばす」という言葉,
使用する状況によって違和感を覚える・・・・というのは嘘で,
誤用にすっかり慣れてしまった私です♪

例によって,辞書を調べてみましょう。

先ず「檄」とは何か。

現代国語例解辞典』:相手の悪い点を暴き,自分の意見を述べて,世人に同意を求め,決起を促す文書。檄文。

新明解国語辞典』:〔人を呼び集める主旨を記した木札の意〕人びとを奮いたたせて,積極的な行動をとるように勧める文書。

『類語国語辞典』:人々に強い調子で呼びかける内容の文書。


どの辞書もほぼ同じ事が書かれていますね。つまり,悪いヤツをやっつけようと決起を促す文書ということ。戦国時代には檄文が飛び交ったことでしょう。

では,「檄を飛ばす」はどうか。

現代国語例解辞典』:同意を求めること。また,がんばるよう活気づけること。

新明解国語辞典』:檄を書いて,決起を促したりする。俗に激励の意で用いるのは全くの誤り。


おもしろいですね。
前者では誤用をすでに受け入れていますが,後者では誤用であるとはっきり書いています。あと,5年もすれば,『新明解国語辞典』でも「激励の意味で使われることもある」とか書かれるようになるかも(笑)