パンダもいい迷惑

中国が台湾にパンダを寄贈するというお話しが,流れたようです。
台湾側が拒否しました。

台湾も大人げないなあと思う人がいるかも知れませんが,なかなかどうしてここには一筋縄ではいかない策略が隠されているのです。

パンダなどの希少動物って,ワシントン条約によって取引が規制されています。
ワシントン条約には次のように書かれています。

取引に際しては輸入国の輸入許可及び輸出国の輸出許可を必要とする。

台湾を自国の一部とみなす中国は,パンダは単に国内移動をするに過ぎず,ワシントン条約で規定するところの許可などは全く必要ないと考えています。つまり,許可無くパンダを台湾に送る事により,台湾は自国の一部だという既成事実を作ってしまおうという作戦なのです。

しかし,台湾はこの作戦に乗る事はありませんでした。台湾は実質すでに独立国です。戦争をしたくないがためにはっきりとは言いませんが,台湾人もみんな独立国だと思っています。パンダを譲り受けるとするならば,中国の輸出許可と台湾の輸入許可があって然るべき。それがない以上は受け入れるわけにはいかないのです。

日本はこの手の作戦に簡単に乗ってしまいますが,台湾はなかなか慎重です。李登輝氏がアドバイスしているのかな?