忘却力と記憶力,どっちが大切?

忘れてしまいたい事や,どうしようもない寂しさに包まれた時には,
酒を飲めばいい

しかし,世の中には,どんなに酒をガンガンあおろうとも,全く忘れる事ができない人がいるようです。

人呼んでカレンダーヒューマン!

彼女は過去25年間にわたる記憶を,忘却することなく完璧に保持し続けているそうです。何年の何月何日の夕食のことから,その日に起こった社会的な出来事にいたるまで,事細かに記憶している。しかも,何らかの記憶術のように,質問されてたあとに,天を仰いで思い出すような仕草をすることもなく,○○年○月○日と質問されれば,その日のデータを何の苦もなく出してくるとの事。

一見,羨ましい能力のように思えます。
確かにこの能力があれば,ありとあらゆる試験に合格することができるだろうし,会社などでもとっても重宝されるはず。「会議の決定事項」とか「商談の内容」なども全て憶えていてくれるのですから。

でも,彼女はこの能力によってすっかり疲弊してしまいました。
なぜならば,彼女は悪い出来事も忘れる事ができないからです。
悪い出来事の記憶までも彼女の頭の中では何度も何度も再生されてしまうのです。

楽しい記憶でさえも,辛い記憶に変わる事もあるかもしれません。例えば,愛する人を失った時。楽しかった記憶が昨日の事のように何度も何度も再生され,悲しみが増幅されてしまう。記憶は決して美化されることなく,そのまま再生されるのです。

最近の映画では逆に記憶力に問題がある人がテーマになる事が多いです。例えば,15分間の出来事しか記憶できない人とか。両者を比べたら,一体どちらが幸せなのでしょうね。二者択一にする問題ではないですが,なんだか考えてしまいます。

忘却力というのは人間にはなくてはならない能力のような気がします。

※参考サイト
東京福袋←クリック
X51.ORG←クリック