インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌
掲示板でインフルエンザの予防に関する投稿があり,インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌は違うとの突っ込みが入っていました。
この突っ込みは正しい。
でも,一般人にこれらの区別をしっかり付けろというのは酷。
両者の違いを簡単に説明すると,
インフルエンザ起こす病原体はインフルエンザウイルスであり,インフルエンザ菌ではない。インフルエンザ菌はインフルエンザの原因菌だと勘違いされた細菌,ということです。
大航海時代,アメリカ大陸をインドだと勘違いして,そこの原住民をインディアンと呼んだのと似ています。
さて,私も忍者修行の一環としてかつて医学を学んだことがあるのですが,最近医学知識がボロボロとこぼれ落ちていってます。というわけで,ウイルスと細菌について改めて勉強しておきたいと思います。
【大雑把な違い】
細菌:カビとかキノコみたいな生物。毒によって人を傷害します。
ウイルス:動物にひっついてないと生きていけないデリケートかつ不思議な生物。人の細胞を殺したり性質を変えたりしつつ自己増殖していきます。
【主な予防対策】
細菌感染症:ワクチン(破傷風とか結核)による予防もありますが,メインは手洗いとかうがいの励行,そして免疫力を高める規則正しい生活が一番♪
ウイルス感染症:ワクチンの予防接種がメイン。その先駆けはジェンナーの種痘。抗ウイルス薬を使うこともある。
【主な治療】
細菌感染症:抗生物質でやっつけます。抗生物質ではペニシリンなどが有名。
ウイルス感染症:用いられるのは抗ウイルス薬。抗生物質は効果がありません(細菌も一緒になって症状を悪化させている場合は効果があるように見えます。でも,あまり使わない方がいい。抗生物質耐性菌が出てくるから)。
抗生物質,ワクチン,抗ウイルス薬の説明は以下の通り。
大体あっていると思います。
抗生物質・・・微生物が作り出す抗菌作用をもった物質。細菌を殺したり,増殖を止める。
ワクチン・・・病原体の抗原を含んだもので,人体の抗体産生を促し免疫力をアップさせる。
抗ウイルス薬・・・ウイルスが自分の複製を作ること(増殖)を抑制する。
で,今回話題になっているタミフルですが,これは抗ウイルス薬にあたります。つまり,人間の免疫力を高めるワクチン系のお薬ではなく,ウイルスを攻撃するタイプ。ワクチンにしろ抗ウイルス薬にしろ,流行するインフルエンザに効くかどうかもわからないし,その副作用も気になるところ。自己責任で行きましょう。やっぱり一番いいのは乾布摩擦とうがいの励行です♪