言葉の魔力

毒薬マニアの女の子がお母さんを殺そうとしたらしい。

思春期の子供達は容易にあちらの世界に往ってしまう。
あちらの世界に往く時の渡し守は言葉。
毒殺マニアの女の子の場合はそれが毒薬の名前だったのでしょう。
タウリンだとか酒石酸アンチモンカリウムなどの言葉で旅立ってしまう。

宗教に走る子供達も言葉の魔力にやられることが多い。
特に密教系が顕著で,マントラという強力な呪文がある。
メジャーなところでは,ノーマクサーマンダーバーザラダンセンダンマーカロシャーダーソワタヤウンタラターカンマン,とか。

若者はこういう不思議な言葉に参ってしまう。
そして,参ると同時に,人が知らないこの種の言葉を知っている自分が,何か特別な存在のように思えてしまう。

ある程度年齢がいけば,それが決して特別なことではないことに気付くのですが,中には気付かないまま年齢を重ねてしまう人もいる。お母さんを死に至らしめる前に捕まった今回の少女の場合は幸運だったと言えるかも知れません。

微妙に違う世界ですが,うつ病の世界でも言葉に参ってしまう若者がいるらしい。デパスだとかソラナックスだとか,色々な薬がありますが,中には自分の薬を自慢する人がいるとか。重症になると処方される薬の名前を出して己の特殊性を誇示するわけです。
ついでに,藤臣柊子さんのインタビューをご紹介します。
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