原爆,今も続く被害

以前,討論に,在外被爆者に関する話題が出ていました。
以下は私の返信。

○○さん,興味深い議題の提出をありがとうございます。
この問題,私も聞いたことはありますが,
詳しい内容まではしっかり把握していませんでした。

そこで,今回,これを機会にいろいろと調べてみました。

概要を知るにはこのページが便利です。
すべての在外被爆者救済を←クリック

なるほど,これまでは被爆者手帳をもっていても,
いったん海外に出てしまうと,それは効力を失い,
健康管理手当の支給を受けられなかったのですね。

それが,2002年12月5日の大阪高裁の判決により,
外国にいても,被爆者手帳をもっていれば,
つまり被爆者として認定されていれば,
健康管理手当を支給されるようになった。
郭氏裁判←クリック
坂口厚生労働大臣コメント←クリック
在外被爆者への手当支給についてのQ&A←クリック

今後の課題は日本に来ることができない人にどのように対応するかと
言うことですね。被爆者認定を行うのは都道府県及び広島市長崎市
です。広島市のページを見れば分かるように,認定のための渡航費用
は負担されるようです。
広島市在外被爆者支援事業のご案内←クリック
しかし,被爆者の高齢化,あるいは病状の悪化により,認定を受けたく
ても,日本に来ることができない人もたくさんいるのが頭の痛いところ。

国外において被爆者認定を受けられるようになるのだろうか?
被爆者認定自体かなり難しい作業とのことです。
日本においてさえも,多くの人が被爆者認定を受けられず,裁判を起
こしているようです。
日本被団協←クリック
東京おりづるネット←クリック

さて,○○さんの問いかけ,政府の対応をどう思うかについてですが,
現状認識でいっぱいいっぱいで,どういえばいいか悩むところです(^^ゞ
とりあえず,問題点が明確になり,良い方向には向かっていると思いま
す。具体案としては,原爆症か診断が出来るかどうかは分からないけ
れど,まずは医師団を派遣することから始めたらいいのではないかと
思います。その道の専門家を被害を訴えている患者さんのもとに派遣
する。その行為一つで,被害に苦しんでいる人の心は慰められるんじ
ゃないかな?


以上のようなことを書きました。

要約すると,以前は,広島と長崎で被爆被爆者手帳をもらった人
でも,一旦国外へ出ると健康管理手当がもらえなくなったのですが,
度重なる訴訟を経て,在外被爆者もきちんと手当がもらえるようになっ
たと言うことです。

広島市のサイトを見ると,日本から医師が派遣され,海外で健康診
断や健康相談なども行われているようです。

ただ,まだ問題が残っています。
原爆症認定の問題です。
在外被爆者がきちんと手当をもらえるようになったのはいいのですが,
それ以前に被爆者だと認められない人がいるのです。
これは日本にいる人も海外にいる人も同じで,
被爆者だと認められなければ手当はもらえません。

原爆症認定を求める裁判は現在も続けられています。2005年7月29
日現在で,167名が提訴しているようです。被爆者も高齢となり,その
体調不良が老化によるものなのか被爆によるものなのかはっきりしないケースも多くなっていることでしょう。

原爆症の確定診断はいまだ明確に確立されていないのでしょうか?
上記サイトを見ると爆心地からの距離などにより判断されることも多いとか。被爆者自身,かつてはとくに症状がなかったので申請はしなかったものの,ある年齢に達した時次々と肝炎や癌を発症するなどして,原爆症に気付いたというケースも多いようです。

平和教育だけに力を入れるのではなく,もっと実務的な方面にも是非力を入れて欲しいものです。