知らない方が幸せなこともある・・・・・・・・かな

私は中国人留学生と仕事上のつきあいがあり,下らない話から真面目な話まで,色々としています。

現在,日中の関係はとてもギクシャクしており,雑談が政治や歴史の話に及ぶこともよくあります。もちろん主要な話題は靖国神社参拝とか南京事件など。

そのような話をする時,彼らの意見は中国共産党の意見と全く同じになります。共産党がこしらえた歴史が真実であり,日本は歴史を改竄していると信じて疑わない。
いまだに日本の歴史教科書は「侵略」を「進出」に書きかえたという誤報を信じている人もいます。

そう言ったことに,1つ1つ反論を加えてきた私ですが,最近,ちょっと考えが変わってきました。

国家間では,外交上,言うべき事はしっかり言い,相手の間違いをただしていく努力は必要ですが,果たして個人間でもそれを行う必要があるのか否か。

中国人留学生に共産党の教える歴史以外の歴史を教えると言うことは何を意味するのか。それって,ひょっとしたら非常に危険なことかもしれないのです。

中国人留学生はいずれは中国に帰国します。もし,彼らに共産党の嘘を教え,共産党に対する不信感を植え付けたらどうなるか。彼は,今後中国での生活がとても困難になることでしょう。新聞から,テレビから,友人の会話から,プロパガンダに汚染された言説を聞くことになります。その世界に染まっていれば何のストレスにもならない言説が,「知っている」が為にストレスになってしまうのです。「知った」が為に民主化運動などを始める人が出てきたら,当局から弾圧を受けるなど,さらに大変なことになります。つまり,私が教えたことにより困難な人生を歩む人が出てくる可能性があるのです。

最近,そこまで責任は持てないなあと考え始めています。

日中戦争では,3500万人の中国人が日本人に殺された」
「南京では30万人の中国人が虐殺された」
中国共産党は善で,日本と国民党は悪」

そう信じていれば,彼らは平和に暮らすことができるのです。