ネットの危険性について

今回の小学生殺人事件では,予想通り,ネットの危険性について取って付けたようなコメントが相次いでいます。中にはチャットと掲示板の区別もつかないようなコメンテイターもいるようで,そういう人にはわからないならわからないと正直に言えと突っ込みたくなります(笑)

さて,ネットをしている者としては,悪いのはネットではない,殺人を犯す人間に問題があるのだと言いたくなる所でしょうが,私はやはりネットにも原因があると考えています。ほかにもいろいろ原因があるでしょうが。

聞く所によると,ネットをしているときの脳というのは催眠状態に近いと言うことです。テレビゲームをしている時も似たような状態になるとのこと。

では,催眠状態とはどんな状態か?

人間の意識は大雑把に言うと,顕在意識と潜在意識に分かれます。顕在意識とは,まさしく今自分を自分と認識しているこの意識であり,潜在意識とは,いってみればもう1人の自分であり,無意識の意識。

顕在意識と潜在意識の間には門番の働きをするシステムがあるそうです。顕在意識がやるぞと思っても門番がその命令書を通さなければ実際に行動には移せない。門番は良い面にも悪い面にも作用します。

良い面としては,門番はある種の物差しですから,変な命令は決して通しません。例えば,急に猫の真似をしろと言われても,素直に猫の真似などはしません。

悪い面としては,ある物差し(基準)を持ってしまうと容易に変えられ無くなると言うことです。例えば,赤面症の人は,今度こそ人前に出ても赤くならないぞと思っても,門番が「ありえね〜w」と判断するので,やっぱり赤くなってしまうのです。

さて,上でもチラッと猫の真似として挙げていますが,門番がいなければ,人は衆人環視の中でも猫の真似を始めます。つまり,門番がいない状態というのが催眠状態なのです。

催眠状態では,良い情報も悪い情報もどんどん潜在意識の中に流れ込みます。ネットの危険性はそこにあります。悪い情報が知らず知らずのうちに潜在意識の中に蓄積されてしまう恐れがあります。また,門番のいない状態がしばしば普段の生活でも現れやすくなる可能性があります。つまり,バーチャルとリアルの壁が低くなる。

私はネットというのはリアルな人間同士が参加するリアル世界だと認識していますが,脳の活動という面から考えてみると,確かにリアルとは少し違っているなと自覚できます。門番がうつらうつらしているような感じで,言葉がストレートに心に飛び込んできます。

今月は門番強化月間に指定しよう(^^ゞ