パンがないのならお菓子を食べればいいのよ

これはフランス王妃のマリー・アントワネットが語った言葉とされています。

悪政により民衆は飢え,その日に食べるパンさえなかった。そんな状況で,彼女は「パンがなければお菓子を食べればいいのよ」と語ったとか。

これはマリー・アントワネットが贅沢好きで,世間知らずであることを証明する逸話になっていますが,実はそうでもないらしい。

というのは,当時としてはパンもお菓子もそう値段が変わらなかった,あるいはここで言うお菓子というのは,ある種の乳製品を指し,当時は主食としても食されていた物であるという説があります。つまり,それほど勘違い発言ではなかったと。

さらに,このセリフ自体,マリー・アントワネットは発していないという説も有力です。革命派がプロパガンダとして流したデマの可能性が高い。


さてさて,話は現代日本にすっ飛びます。狂牛病やら,鳥インフルエンザやら,世の中はなんだか賑やかです。牛丼屋から牛丼のメニューが消えて,このままでは食べるものが無くなると不安に思っている人もたくさんいるでしょう。

でもね


牛がないなら豚を食べればいい


獣肉がないなら魚肉を食べればいい


魚肉がないなら畑の肉を食べればいい

のです。

日本の食文化が壊れるなんて事を心配する向きもありますが,「文化」などと言う物はかなりいい加減なものです。確かに日本には素晴らしい文化がたくさんありますが,案外歴史は浅い物が多いのです。文化は言ったもん勝ち。何でもありです。

鯨食は日本の文化だと言って商業捕鯨再開を求める人々がいますが,別に文化を持ち出すまでもありません。食べたいから食べる,生態系を崩さない程度に食べる,その程度で十分。もっとも,私は身勝手で独善的な欧米人の反捕鯨には憤りを感じていますけどね。

要するに,一つ,二つの食材が消えたくらいで嘆く必要はありません。人間には創意工夫するという知恵があります。そして食への欲望もあります。坊さんの精進料理なんてすごいですよ。肉食に対する欲望が大爆発してます(笑)例えば,がんもどきとかたぬき汁とかキジ焼きとか。みんな肉なしで作ってます。


さあ,みんな,パンが無くなったら,お菓子を食べよう♪