老化は治療するものだろうか?

物理療法を行っている整形外科にはお年寄りがたくさんいます。

牽引,低周波,干渉派,レーザー,マイクロ波,赤外線と,
テーマパークのようにいろんな機械が用意されています。

お年寄りはメニューに従って,治療をこなしていきます。

病院の入り口が開く前からお年寄りは待ってます。
雨の日も雪の日も,毎日休まず通います。
彼らにとっては病院は我々にとってのSayClubのように大切な場。

「おばあちゃんどのくらい通ってるの?」
「もう5年くらいになるねえ」
「!?」

それでいいのか?

正直言って,お年寄りの病気はほとんどが老化であって,
治療して治るようなものではありません。
確かに一時的に痛みを和らげる効果はあるでしょうが,
(温めるだけでたいていの痛みは軽くなるものです)
それは治療ではなく慰安です。

医療費不足が叫ばれる昨今,慰安に莫大な医療費を使っていいものか。しかし,お年寄りの社交場を奪ってしまうのは心苦しい。
一体何が間違っていたのか,何処にボタンの掛け違いがあるのか。

私は定年退職というのがガンの1つだと思っています。
十分働ける人物をお年寄りにしてしまう制度です。
引退と言っても人生を引退するわけではありません。
しかし,人間,働かなくなると,体の気血の巡りは悪くなるし,
精神的にも不安な状態になるものです。

そしてまた,興味の対象が自分の体に向かいやすくなる。
老いれば当然現れるような関節の痛みなどもやたら気になってくる。
そして,みな病院に向かう。

骨粗鬆症という病気があります。この病気も非常に怪しい。
確かに,骨密度が病的に低くなる病気はあるようですが,最近はただ
の老化も骨粗鬆症と診断される事が多いような気がします。年を取れ
ば骨密度が低下するのは当たり前。

そういった,老化の治療に日本の医療費はずいぶんと費やされているようです。お年寄りの慰安は良い事です。しかし,それを医療で行う事には疑問を感じます。私は仕事をしてもらう事が慰安につながると思っていますが・・・。

高校生の時,すでに背骨に老化が始まっていた私としては
一日も早く日本がまやかしの医療から脱却することを望んでいます。

ちなみに私の病名は「変形性脊椎症」。お年寄りで腰が痛いとか首が痛いとかの症状があれば,たいていこの病名が付きます。