中国批判をする前に

中国批判をする時の参考になればと,私の見解を少し書いてみます。

1.中国は群雄割拠の国

 中国批判をする時にはどうしても国家主席をやり玉に挙げてしまいますが,あの国は国家主席が必ずしも権力を掌握できているとは限らない。国家主席の一番の仕事は国をまとめることといっても過言ではありません。
 
 日本と戦争をしていた時は特に国とは言えないくらい分裂していました。国民党,共産党など外国から援助される政治的な組織もあれば,中国古来のヤクザ組織や盗賊・馬賊なんかもいた。日本はいわばその群雄割拠の国盗り合戦に巻き込まれた形。
 
 今は中華人民共和国という国っぽい衣装をまとっているものの,その内実は昔とたいした違いはありません。中国人と話しをすると「○○出身のやつはバカ」なんて話が普通に出てきます。漢民族同士でさえそうですから,少数民族に対する目はとりわけ冷たく,同じ国の人間とは考えていないふしがあります。以前中国人留学生に「ウイグル人は同じ中国人だと思う?」と質問したら,「思わない」と素直な答えが返ってきました。

 中国批判をする場合,国家主席個人を批判する人がいますが,その国家主席が失脚した場合,はたしてほかに素晴らしい国家主席がいるのか考えて欲しい。日本ヤクザを強く取り締まった結果,外国マフィアが日本にはびこるようになったことの二の舞は避けるべきでしょう。


2.ストックホルムシンドローム

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 銀行強盗に監禁された人が,生き残る為に,犯人を好きになったり,犯人に積極的に協力したりする現象です。

 中国人の反日歴史認識を批判する人がいますが,彼らは一種のストックホルムシンドロームにかかっていると考えて欲しい。銀行に監禁されている限りは(つまり中国国内にいる限りは),犯人に協力し,犯人を好きになった方が生きやすいのです。犯人の悪いところは敢えて見ず,犯人の良いところを探した方が精神的に楽なのです。犯人を攻撃する警察や世論は敵です。人質になっている時間が長ければ長いほど,その思いは強く心を支配することでしょう。
 人質に向かって「お前は騙されている。犯人は悪人だ!」と叫ぶことの意味を今一度考えて欲しい。自分はどれほどの覚悟があって発言しているのか。人質の人生を変えるかもしれない発言をしているという自覚はあるのかないのか。自戒を込めて。