非人道的兵器

もう聞いた瞬間にツッコミを入れずにはいられない「非人道的兵器」。

「非人道的兵器」の使用を規制あるいは禁止しようということでできたのが,「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」です。1980年のこと。
この時3つの議定書が採択されました。つまり,3種類の「非人道的兵器」がやり玉に挙がったわけです。その3つは以下の通り。

1.検出不可能な破片を利用する兵器
2.地雷、ブービートラップ及び他の類似の装置
3.焼夷兵器

さらに1995年にもう一つ追加。

4.失明をもたらすレーザー兵器

2003年にさらに追加

5.爆発性戦争残存物
※たぶんクラスター爆弾を意識して作られた

5つの兵器を見てみると,要するに後遺症を残す兵器,戦争が終わっても被害を出す兵器が対象になっていると思われます。ちょっと異質なのがレーザー兵器。ほかの4つは非戦闘員にも被害が出るものですが,レーザー兵器だけは戦闘員限定のもの。これについては何か政治的な動きがあったのかも。いずれにしても「非人道的兵器」というネーミングは悪趣味ですね。ブラックジョーク。

精神的,身体的に痛めつけ,相手が降参するまで,あるいは戦闘能力を完全に失うまで殺し続けるのが戦争。そのような戦争に「人道的」なるものを持ち込むこと自体に違和感を覚えますが,こういったルール作りも必要なことなのかもしれません。特に地雷と不発弾は戦後まで戦場となった地域とそこに住む人々を苛み続けますから,何らかの規制は必要になってくるでしょう。

※締結国については次の頁を参照して下さい。pdfファイルです。
CCW